厳格なルール、変則的な営業時間、そして確かな牛丼の味との噂で、アキバ最後の秘境と呼ばれている店がある。「牛丼専門サンボ」だ。
久しぶりに立ち寄る機会があったので、今日はこのアキバ最後の秘境のレポートを書いてみたいと思う。
硬派に男の腹を満たすアキバのサンボ。
噂にきく程、厳しい雰囲気は感じられない。
他の牛丼屋には見られない「携帯電話での通話禁止」の張り紙はあれど、むしろアットホームな雰囲気を感じる程だ。接客してくれたおばちゃんも気持ちよく接客してくれた。
といっても店内は無言で男達が牛丼を食べる音しかしなかったが。
客層は見事というくらい30〜40代男性しかいない。そしてスーツを身にまとう男性がよく目に付いた。客の無駄のない一連の流れを見るとサンボの常連率の高さがうかがえる。
そうこうしている内にやってきた。これがサンボの牛丼である。(牛丼並+みそ汁+玉子付きで570円)
一見すると、なんのことはない普通の牛丼である。しかし、肉はこの上なく柔らかく、玉ねぎも自然な甘みに溢れていてこの上なく柔らかい。丼全体をつつんでいるダシも物腰柔らかく美味い。
厳密なルールがあるという噂に反して、とても柔らかい牛丼なのである。あまりに柔らかさに、牛丼を食べるというより牛丼をすするといった方が正解だろうか。
どこか懐かしさを感じる店内。もくもくと牛丼をつくる店主。そしてその牛丼をたんたんと運ぶおばちゃん。それを無言ですする男達。サンボには今アキバで無くなりかけているなにかを見た気がする。