マイク

最近というか、だいぶ前から思ってることがあります・・・。

それは、「完璧すぎる歌唱力はもしかして諸刃の剣なんじゃないか!?」ということです。

久しぶりにちょっと長くなりますが、この話にお付き合いください!

上手すぎるボーカルは耳に残りにくいのではないか!?

なぜこんなに歌が上手いのに売れないんだ!

というアーティストはかなりいると思います。しかしながら、逆に歌が上手すぎることに弱点があるんじゃないかと思うのです。あえて断言します。

「歌唱力のありすぎるボーカルは耳に残りにくい。」

整いすぎたボーカルを例えるなら「球」じゃないでしょうか。球は美しい反面、丸いため、いくら投げられても表面上は傷つかないものです。

しかしながら、三角形や四角形などを投げられれば、痛いし、跡がつくし、もしかしたら流血するかもしれません。

これは僕らの耳にも同じことがいえると思います。

JAM Projectは誰にも投げれない160キロストレートをもっているけど、変化球がない。

JAM Projectほど歌唱力のあるアーティストは、そういないでしょう。
アニソン界のみならず、J-POP界全体でみても、その歌唱力の高さはトップレベルだと一度聞けば誰もが認めると思います。

でもセールス記録を見るとびっくりするくらい売れていない。なぜライブであれだけみんな盛り上がってるのに、なぜCDはこんなに奮ってないんだろうと驚きます。

やはり完璧すぎるが故に耳に入っていきにくいのかもしれません。(あくまでCD音源に限ってのことですが)

JAM Projectは、誰にも投げれない160キロストレートを持っているけれど、変化球がないのかなぁと。

そのストレートは「球速は160キロ」で「ジャイロボール」で「重い球」で「ライジングボール」なんですけど、球の軌道は真っ直ぐのままなので印象に残りにくいのかなぁと思いますねぇ。

※でもライブでは、ものすごく強烈な印象を脳に叩きつけてくれるボーカルを見せてくれるんですよねぇ。なんなんだろう、このCD音源とライブの差は・・・。

声優さんのヘタウマな歌声はナックル。

その点、球筋が安定しないナックルを投げれるのが、声に特徴のある声優さんのヘタウマなボーカルです。

160キロの豪速球は投げれないけど、自分すらどこにいくか分からない玄妙不可思議な軌道の球を投げれるのが最大の特徴です。

しかも投げてくるのは球ですらないかもしれません。三角形だったり四角形だったりするわけです。

こちらもどんな球がくるか分からないから、いろいろ詮索してしまうわけです。
「今度はこう来るのかな?」「えっ!こんな変化かよ!」「痛ってー!」みたいな。

この戸惑いや痛さが耳に深く刻まれるわけです。

最近の例を上げれば戸松遥版のnO limiTは完全にナックルといえるでしょう。

プロのアーティストではありえない歌い回しが随所に見られるのですが、このヘタウマ加減が強烈に耳に残るのです。(とくに語尾を伸ばすところの耳のこりは異常!)

※シングル「Running on」に収録されている、戸松遥、早見沙織、中島愛がそれぞれソロで歌っているnO limiTを聞くとエクリップスは良いストレート(早見沙織)、良いナックル(戸松遥)、良いチェンジアップ(中島愛)が揃ったバランスのいいユニットだったんだなぁと感心します。

まとめ

ナックルの方がいいような書き方になってしまったかもしれませんが、歌唱力を完全否定しているのではもちろんありません。JAM Projectは大好きですし。

僕が言いたかったことは、ナマモノが魅力なボーカルには、ちょっとした違和感が必要なんじゃないかということですね。

例えば旅行にいくとして、ずっと一人で高速道路より、電車に乗ったり、友達と会話したり、ちょっとしたアクシデントとかがあった方が面白いし思い出にもなりますよね。

ボーカルも終始完璧に安定しているより、ちょっとぐらい不安定な方が面白いのかなぁと思う今日この頃です。