「iPhoneアプリのアイコンを変更できるアプリがある」
それを聞いたとき、信じられなかった。
Appleがそんなアプリを許すわけないと。
実際に触ってみた。ちょーカンタンに出来た。
「なにこれすげぇ!」
聞けば、累計1500万回もダウンロードされているらしい。しかもユーザーの8割は海外で、アメリカのApp Storeの無料アプリランキングで2位を獲得しているらしい。
アプリのアイコンを着せ替えるという、一見マニアックなアプリがめちゃくちゃ受け入れられてる事実。
僕もマニアックなiPhoneアプリ開発者の端くれ。どのようにして達成したのかココッパ開発の舞台裏をもの凄く聞きたくなった。
というわけで、iPhone&Androidアプリ「ココッパ」のプロデューサーである「梶原彩菜さん」にインタビューをお願いし、どのようにしてこの人気アプリを開発したのかお話を聞いてきました!
アプリのアイコン着せ替えアプリ「ココッパ」開発のキッカケとは?
するぷ(以下、す): ココッパ開発のキッカケってどんな感じだったのでしょうか?
梶原彩菜さん(以下、梶): 実は元々、社内で新たな女性向けのメディア作ろうと思ってたんです。まったく新たなメディアをつくりたくて、社内でいろいろ試行錯誤して色々ブレストしてたりして、辿り着いたのがホーム画面(アプリのアイコンと壁紙)の着せ替えとメディアをミックスしたらどうなるだろうとなって、ココッパを開発することになりました。
す: えー!意外ですね!てっきり、誰かが「アプリのアイコン変えたい!自分流にデコりたい!」というのがキッカケで開発されたかと思ってました。
梶: よくそんな風に言われるんですけど、実は「新たなメディアをつくりたい」から始まってるんですよ。
す: そういえば、SNSの機能が入っていますよね。ココッパを触ってみてビックリしたのが、一見ニッチなアプリのアイコンやホーム画面ですごくSNSが盛り上がっていること。アイコンの着せ替えにこれほど需要があるのかとビックリしました。
梶: そうですね。もしかしたら服のオシャレとかと同じ感覚なのかもしれません。
1,500万ダウンロード達成。しかし、ほとんど宣伝的なことはしていない。
す: 1500万ダウンロードってもの凄い数字ですね。途方も無い数字だと思うのですが、なにか宣伝的なことはしたんですか?
梶: それがほとんどしていないんですよ。
す: え!?ほんとですか!?
梶: ほとんどクチコミとソーシャルメディアによるものなんです。
服のオシャレと同じだと思うんですけど、可愛いくて、オリジナリティのあるホーム画面を作ったら、やっぱり人に見て貰いたくなるじゃないですか。
それでココッパを使って作ったホーム画面をインスタグラムとか、ピンタレストのソーシャルメディアにユーザーさんはあげますよね。その投稿みて、「え?どうやってやるのこれ?」「ココッパってアプリで出来るよ」みたいな感じで広まっていきました。
ココッパのユーザーの8割は海外。
山本さん(ユナイテッド株式会社広報IR): 実は、ココッパのユーザーはほとんど海外の方なんです。ユーザーの約8割が海外ですね。1位アメリカ39%、2位日本17%、3位がイギリス4%となっています。
す: 日本のアプリの海外進出は難しいといわれているのに、8割が海外ユーザーって凄いですね。しかもアメリカが39%ですか。宣伝無しで海外でこの結果を出せるのは凄すぎる・・・。
梶: ココッパの強みは、ココッパを説明する上で言葉がほとんどいらないってことだと思ってます。説明がなくても写真をあげればやっていることはすぐわかってもらえるので。
女性がプログラミングし、女性がデザインし、女性がプロデュースしているアプリ「ココッパ」
す: すごくガーリーなテイストのUIですが、ココッパはどのように開発されているのですか?
梶: ココッパは2011年11月に開発を開始したのですが、その時はプログラマーも、デザイナーも、プロデューサーも全員女性でした。
す: えーーー!マジですか!?
梶: 本当です。今は規模が大きくなったので、男性も開発に加わっていますが、当時は女性のみで開発していました。
す: これは面白いエピソードですね。僕もアプリ開発者のはしくれだったりするのですが、なんか可愛くてガーリーなUIの割には、裏でやっていることエグいなー(技術的にいい意味で)と思ってたので、倍驚きました。
梶: あはははw
女性向けのアプリを開発する上で大事なこととは?
す: ユーザーの男女比率は、女性が9割って凄いですね。女性に受け入れられるアプリを作る上で気をつけていることってありますか?
梶: やっぱり「可愛い」ってことですね。そこはこだわっています。機能的な面では、ユーザーの声を積極的に聞いていますが、可愛さに関しては社内でしっかり軸をぶらさないようにデザインするように心がけています。
最後に、これから人気アプリを作ろうと思っている人にアドバイスをお願いします
す: では、最後にこれから人気アプリを作ろうと思っている方にアドバイスをお願いします!
梶: うーん・・・。そーですねー(笑)
梶: やっぱり自分がいいと思う物を作ると言うのが大事だと思ってます。あとこだわり大事ですね!ユーザーの声を聞くことも大事ですが、しっかりと軸をもって可愛さを追求していくということも大事だと思っています。
あとは、狙ったユーザー層に刺さるようにどうすればよいのか考えることですかね。ココッパは開発当初から若い女性に狙いをしぼって開発をしていましたから。
す: ありがとうございます!
するぷはこう思った。
まさか、女性がプログラミングまでしているとはかなり意外でした。しかし、そうだからこそ、世界中の女子に受け入れられるアプリが出来たんでしょうねー。
いやいや、本当にいろいろタメになる話が聞けました。特に刺さったのは「アプリを説明する上で言葉を使う必要がないことは、世界中の人に使ってもらう上でもの凄い強み」ということですね。
なかなかそれを狙って開発することは難しいと思いますが、それを少し意識しておくだけでも大分違う気がしますね。
いやー、梶原さん、山本さん貴重なお話ありがとうございました。これからのアプリ開発に大いに参考にしたいと思います!