美味しいラーメンといえば「麺しこしこ」。 美味しいチャーハンといえば「米パラパラ」。
いわばこれは美味しく作るための鉄則なわけで、これからかけ離れていれば、それはすなわちマズくなるはずなのだが、麺ふにゃふにゃ、米べちゃべちゃでも美味しいお店が存在する。
それは東京・神保町にある「さぶちゃん」である。
さぶちゃんは、東京・神保町にある老舗ラーメン屋である。半ちゃんラーメンの元祖とも言われ、コアなファンも多い。
前から気になっていたが、今日ようやく訪れることができた。
注文したのはもちろん「半ちゃんらーめん」。(750円)
見ての通り、彩りはまったくなく、その出で立ちは無骨そのもの。あくまで核で勝負するという親父さんの意気込みが伝わってくる。
さて、味だが、先ほどから言った通り、現代の美味いラーメン、美味いチャーハンの鉄則からはかけ離れている。
麺はふにゃふにゃ。米は一切パラっとしていない。
しかしなぜかこれが美味い。
さぶちゃんのラーメン、チャーハン、二つにいえることだが、スープや麺や具や米の個人技ではなく、全体の総合力で美味さをつくっていると思う。
見た目の彩りはまったくない。が、おそらくどのパーツも欠けても、この味は成立しない。
きっとこのスタイルは親父さんが長くラーメン屋をやってきたなかで自然と育った美しいフォーメーションなのだろう。
さて、特筆すべきはラーメンの上に浮かび上がる油。
これがヤバイ。
ダイエット中にスープを飲み干すことはご法度だが、この油のせいで、その禁を破りそうになった。一口が二口目を呼び、三口目が四口目を呼ぶ。
トロリと濃厚、かつ油濃くなく、独特の風味を持つ、この黄金の油によって、気づいたらダイエットを忘れスープを飲み干すモードに入ろうとしてしまった。なんて危険な逸品であろうか。
正直、さぶちゃんは賛否両論あるラーメン屋だと思う。
しかし、ガッチリと心を奪われてしまう人はとても多いだろう。
がっつりと半ちゃんラーメンを堪能したい方は、東京・神保町の「さぶちゃん」に行くことを全力でオススメする。
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