「漫画家漫画に外れなし。」
よく言われることですが、これ本当。数ある漫画家漫画を読んできましたが、本当にどれも面白い。
そして、その漫画家のどの漫画よりも、「漫画家漫画」が一番面白いことが多い。
やはり自分のことを濃密に描くことになるからでしょうね。漫画家版すべらない話。
今日は、今まで読んできた漫画家漫画の中で面白かったものをご紹介したいと思います。
ゲゲゲの家計簿
これは昨日ビレバンで見つけたのですが面白い。水木しげる版まんが道。
水木しげるの弟さんが偶然見つけた家計簿を元に、昭和26年から講談社児童まんが賞をとる昭和41年までの、もっとも生活が苦しかった時代を水木しげる自身が漫画化したもの。
15年間ずっと綱渡りの不安定な生活が続く結構壮絶な毎日なのですが、絵のタッチと反してなぜか楽しく読めてしまいます。読み終わったらちょっと水木しげるが好きになること間違いなし。
売れたことで家計簿をつける必要がなくなり漫画が終わっていくのがカッコいい。
アオイホノオ
島本和彦の漫画は、「風の戦士ダン」、「卓球社長」、「逆境ナイン」、「炎の転校生」などなど色々読みましたが、一番面白いキャラクターは島本先生ご自身だったんだと。
舞台は島本和彦の大学時代。「自分の才能にうぬぼれながら、何もしない様」が非常に斬新。同級生の後のエヴァ監督「庵野秀明」の才能に嫉妬する様も面白い。
一見、雲の上の漫画家がどのようなことを思いながらデビューしていったのか生々しい様が読めます。他の漫画家漫画の中でもイチオシ。
まんが道 & 愛... しりそめし頃に...
やはり、漫画家漫画の祖とも言える「まんが道」は外せないでしょう。最近また読み返しましたが結局最後まで読んでしまいました。
藤子不二雄がどのように世に出て、どのように漫画を描いてきたのかが読めます。
終始、Fの才能にAが感心するという描写があるのですが、その辺が色々生々しく想像できて読んでしまうんですよねー。F視点ではAのことをどのように思っていたのでしょうか。叶わぬことですが読んでみたかったなぁ。(特にスランプが続いたドラえもん発表前のあたりを読んでみたかった。)
藤子スタジオアシスタント日記(まいっちんぐマンガ道)
まだ、FとAが、ひとつの藤子不二雄で活動してた頃のお話。
- 藤子不二雄は別々の部屋でマンガを描いていた。
- 幻のドラえもん最終回のあのゴミ箱の秘密
- アシスタントから見た藤子不二雄の人となり
- 藤子スタジオ入社の方法
- Fにもあった売れない時代
などなど、元アシスタントの方じゃなければ絶対わからない藤子不二雄の中身を読むことができます。終始明るく構成されていて究極的に読みやすいこともオススメ!
チェイサー
手塚治虫を一方的にライバル視している漫画家の視点から見た、手塚治虫の凄さが読めるマンガ。この漫画家は実在する!(笑)
「手塚治虫っていうほど面白くないよね?」
といいつつ、手塚治虫をバリバリに意識し、逸話をマネまでしてしまう主人公。人間ならついつい共感してしまうエピソードに溢れていてとても面白いです。
いま最も熱い漫画家マンガともいえるでしょう。オススメです。
ブラック・ジャック創作秘話 ~手塚治虫の仕事場から~
「神様も人間だったのだ。」「でもやっぱり手塚治虫は神様だ。」と、同時に思えるマンガになっています。伝説となっているエピソードの裏を取りながら、手塚治虫を紙の上で復元しているマンガです。
マンガを目指す前にこれを読んでしまったら、きっと諦めてしまう人もいるんじゃなかろうか。いや、手塚治虫以外に手塚治虫は出来ないということでしょう。
クリエイティブの裏側ってホント面白いですね。
監督不行届
漫画家漫画とはちょっと違いますが、安野モヨコ、庵野秀明の夫婦生活が読める一冊。
エヴァの監督だとは思えない奇想天外な庵野秀明の動きにプッと吹いてしまうこと間違いなし。肩肘張らずに純粋に楽しめます。
燃えよペン
あえて炎を抑えたアオイホノオにどっぷり浸かったら、炎全開の「燃えよペン」もぜひ。全力全開の島本節を読めます。
最強の集中線を描けるようにするため、大事なものを壊す話がホント好き。
あとがき
ビレバンは夏休みに漫画家漫画コーナーをつくるべし!そして、ペンとペン先とインクを隣に置いて売るべし!当てられたやつをふやすべき!
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