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iPhone 7は防水でなく耐水。では「耐水」と「防水」の違いとは?

お気づきになられている方も多いかと思いますが、iPhone 7は「防水」と表記されていません。

iPhone 7の公式サイトを見ても「防水」とは表記されておらず、あくまで「耐水」と書かれています。

では、一体「防水」と「耐水」の違いとはなんなのでしょうか? 耐水って防水よりも弱いのでしょうか?

ちょっとわかりづらいので調べてみました。

まず、防水の意味。

水がしみこむのを防ぐこと。水が入ったりしみこんだりしないように処理・加工すること。

引用元:防水(ボウスイ)とは – コトバンク

次に耐水の意味。

水がしみ通らないこと。また、水によって変質や破損しないこと。

引用元:耐水(タイスイ)とは – コトバンク

どちらも同じような意味に感じますね。

ここで、iPhone 7の公式サイトに記されている、この表記に注目してみましょう。

iPhone 7とiPhone 7 Plusは防沫性能、耐水性能、防塵性能を備えており、実験室の管理された条件下でのテストにより、IEC規格60529にもとづくIP67等級に適合しています。

引用元:iPhone 7 – Apple(日本)

ふむふむiPhone 7は「IP67等級」。

このIPから始まる等級とは「IPコード」と呼ばれるもので以下のページが大変詳しいです。

IPコードとは、規定されている保護等級やそれに付随する付加的事項をコード化したものである。International Protectionを表す「IP」で始まる4文字から6文字で記載される。
例えば「IP68」と記載されている場合、第一特性数字である「6」は固形物に対する保護等級を、第二特性数字である「8」は水に対する保護等級を示している。また、どちらかの保護等級を省略する場合は「X」を記載する。「省略される=無保護」ではないところに注意が必要である。

引用元:電気機械器具の外郭による保護等級 – Wikipedia

つまり、IP67は、IP6X/IPX7と表記できます。

左側のIP6Xは固形物に対する保護の等級を表し(つまり防塵)、右側のIPX7は水に対する保護の等級(つまり防水)を表します。

下のテーブルは、IEC規格の「水の浸入に対する保護等級」を表すもので、級が上がるほど水に強いことを意味します。つまり防水保護力が強いことを示します。(引用元: 電気機械器具の外郭による保護等級 – Wikipedia

保護等級 内容
0級 特に保護がされていない
1級 鉛直から落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴I形)
2級 鉛直から15度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防滴II形)
3級 鉛直から60度の範囲で落ちてくる水滴による有害な影響がない(防雨形)
4級 あらゆる方向からの飛まつによる有害な影響がない(防まつ形)
5級 あらゆる方向からの噴流水による有害な影響がない(防噴流形)
6級 あらゆる方向からの強い噴流水による有害な影響がない(耐水形)
7級 一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがない(防浸形)
8級 継続的に水没しても内部に浸水することがない(水中形)

iPhone 7のIPX7というのは、IEC規格の「水の浸入に対する保護等級」で7級レベルを意味します。

その7級レベルとは「一時的に一定水圧の条件に水没しても内部に浸水することがないもの(防浸形)」を表します。

つまり、iPhone 7は6級の耐水形を超えているので「耐水」と表記されているのでしょう。

ちょっと散らかってきたのでここで整理します。

と言った感じでしょうか。

つまり、電気機械器具において「耐水」とはあくまで防水のレベルを示すもので、「耐水」と「防水」はどっちが強いとか比べるものではないというわけですね。(タキゲン製造株式会社のページを見てもIEC規格の「水の浸入に対する保護等級」は防水規格と書かれています。)

ちなみに、おそらく「完全防水」という言葉なら「耐水」と比較の対象になり得ると思います。

完全防水とは、文字通り水の浸入を完全に防ぐ機能を指す。この機能が付いている製品は長時間水中に入れても使用可能となっている。現在、「完全防水」という言葉がメーカーによって用いられることはほとんどなく、製品を紹介する雑誌やウェブサイトにおいて、一般に、JIS防水保護等級8級などの製品に対して用いられることが多い。

引用元:防水 – Wikipedia

つまり、iPhone 7は完全防水ではないけど、かなりのレベルまで水に持ってくれる仕様だということですね。

すっきり!

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